さまざまなお客さまを前にして
巡回公演も、明日から第二週目!
第一週目にひきつづき、よい公演を重ねていきたいと思います。
文化庁の巡回公演事業は、小中学校の児童・生徒のみなさんをお客さまを対象とした学校公演です。
下は6歳から上は15歳までと、ひじょうに幅広い年齢層を対象としているにもかかわらず、おなじ演目、おなじ台本と演出で毎日上演するということには、いろいろな難しさがともないます。
あまり難解なものでは低学年がおいてけぼりになりますし、かといって低学年にターゲットを合わせるようでは高学年や中学生ははやばやとそっぽを向いてしまいます。
事前の打ち合わせなどでも、「一年生にわかる内容なのでしょうか」といったご懸念を持たれる学校の先生方も少なくありません。
でも、「わかる」とはなんでしょうか?
なにかわたしたちの作る舞台に「わかる」べきものがたりがあるわけでもなく、理解すべき正しい意味があるわけでもありません。
それは、ひとりひとりのお客さま(こどもたち)が、自分でちゃんと見つけてくれるものだからです。
もちろん上演にあたっては、わかりにくい概念や言葉を少し噛み砕いた表現にしたり、飽きさせないように構成を考えたりはしますが、基本的にはおとなの観客が劇場で観るのとほぼ変わらないオペレッタを、こどもたちに観てもらうことを前提としています。
それでもちゃんと、低学年は低学年なりに、高学年は高学年なりに、また中学生は中学生なりに、それぞれが『小鳥売り』というオペレッタから、さまざまなものを感じ、楽しみ、感動してくれます。
それは学校の先生方も感じていただけるようです。
年齢の差とおなじように、となりにいる友達と自分の感じるものがまったく違っても、それはとても素晴らしいことだと思います。
そうあるために、わたしたちは毎日、自分たちの音楽を演奏し、自分たちのお芝居をする。
それがどのような意味を持つか、どのようなものがたりになるか、すべてはお客さまのこころのなかで完成することを信じて!